ウィンザー&ニュートン「プロフェッショナル・ウォーターカラー」より、
過去の偉大な芸術家たちに広く使われた、8つの歴史的なカラーを取り入れた新シリーズ『リバイバルカラー』が新色として登場しました。
今回は実際に絵の具を試したレビューとあわせてご紹介していきます。
プロフェッショナル・ウォーターカラーとは
イギリス発祥の画材メーカー「ウィンザー&ニュートン」が手がける、全107色から成る水彩絵の具です。
「英国王室御用達」を銘打っており、 歴史に裏打ちされた確かな製造技術と最新のテクノロジーを兼ね備えた、最高水準の水彩絵の具として世界中のアーティストに親しまれています。
純度の高い色の原料=顔料を使用し、一色一色に独自の組成を開発。
それぞれの特性を生かしているため、発色が良く鮮やかで、高い透明度が特徴です。
ほとんどの色が「専門家用堅牢色」としてランクされており、優れた安定性と耐久性を持ちあわせています。
当時の鮮やかさをそのままに、最新鋭の処方でリニューアル!『リバイバルカラー』
「オーレオリンヒュー」
“Hue(ヒュー)”とは“色合い”という意味であり、 似た色合いの顔料で作られた絵の具のことです。本来のオーレオリンが持つ鮮やかな黄色を、永続的に生産可能な合成顔料で再現しています。
たんぽぽのような柔らかなイエローです。濃く塗ると黄土に近い色味に感じます。
「フィールズオレンジ」
カラーマン(顔料の製造者)であるジョージ・フィールドが特別に精製したという、バーミリオン色にインスパイアされ作られました。一種類の顔料のみで構成された赤橙色。強く鮮烈な色合いが特徴です。
目が醒めるようなオレンジで、水で淡くぼかすと色の散り具合が見事です。
「ビリジアンヒュー」
透明感のあるエメラルドグリーン。ラテン語で「緑」を意味する"Viridis”に由来し、本物のビリジアンに近い色合いです。
どこまでも爽やかな緑が、翡翠色の清流を思い浮かばせます。
「シナバーグリーン」
鮮やかな黄緑色で、他の一次色や二次色と混色することで、多彩な色調の可能性を提示します。
素直な生成りの緑なので、ボタニカルアートに1本あればヘビロテ間違いなしです。
「ティリアンパープル」
赤みがかった青の下地を持つ深い紫色で、ムレックス貝※由来の紫の優れた代替品です。
ブルーベリーから生まれたようなベリーパープル。深い色味に高貴さを漂わせています。
※主に古代に高貴な紫色(貝紫)の染料を採取するために利用された貝の総称。
「ウルトラマリンアッシュ」
透明感のある柔らかな粒状感を持つ青灰色で、多様な混色や色調に幅をもたらします。
早朝の山に霞みがかった雲のような、透き通った色味です。他の色と組み合わせることで、絵肌に深みを与えるように思います。
「ミネラルグレー」
半透明の緑がかった灰色で、柔らかい色調や粒状感のある表現に最適な色合いです。
じわっとした滲みの表現が出しやすく、モノトーン調の作品に活かせそうなザラザラ感です。
「オストワルドグレー」
不透明な暖かみのある灰色で、粒状感のある柔らかな質感を持ち、他の色との調和が美しい色です。
水でぼかすと何層もの違った表情が見える、渋いグレーです。暖色系の色味との相性は抜群でしょう。
おわりに
実際に色を筆に取ると、どの色も従来のプロフェッショナルカラーと同様にかなり発色が良く、画像よりも色鮮やかに感じ驚きました。
アーティストに愛されてきた歴史が、一色一色から滲み出てくるようです。
ぜひ手に取ってこの感動を味わってください。