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絵具の海にたゆたう ―ポーリングアート—

絵具の海にたゆたう ―ポーリングアート—

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「ポーリング(pouring)」とは「注ぎこむ」「流れ出る」という意味です。

ポーリングアートは、アクリル絵の具で色づけした液体(メディウム)を、キャンバスに注ぎこんで制作するアート技法です。

液体の流動性を意味する「フルイド(fluid)アート」とも呼ばれています。

今回は1枚の作品が完成するまでをご紹介いたします。

―9月28日・29日にワークショップを開催予定です!-
【参加ご希望の方は、
 「Instagram」のDMまたは「お電話024-573-1590」まで】

 

ポーリングアートに必要な道具

・アクリル絵の具
・ポーリングメディウム
・シリコンオイル(純度100%のもの)
・グロスメディウム
・キャンバス
・紙コップ
・ストロー
・筆
・マスキングテープ
・だるま画鋲

ポーリングアート用のメディウムを使用します。
こちらを絵の具と混ぜると、重ねて注ぎこんでも分離するアート専用の液体ができます。

専用のメディウムだと配合する比率などに悩まず、
液体を準備することができます。

キャンバスは垂らしこんだ側面も綺麗に見えるように、


包み貼りで高さがあるものを用意しました。

 

製作工程

メディウムにアクリル絵の具で色をつけていきます。

液体アクリル絵の具だと簡単ですが、チューブタイプの絵の具でも可能です。
チューブだとメディウムと混ざりにくくだまになるため、
少量でしっかり混ぜあわせるのがポイントです。

☆スタッフは電動泡立て器で準備しました。
(均等に混ざりますが表面が泡立ってしまうため、
泡をスプーンなどで取り除いて、気泡が落ち着いてから制作します。
故障の原因になるため自己責任でお試しください。)

濃い色を作るためにはその分多く絵の具を混ぜるため、
メディウムがドロドロになります。
粘度が強いとアート特有の流動性が無くなってしまうため、
少量の水を加えて調整していきます。
このとき水が多すぎると、液同士が分離せず色が溶けあって、
仕上がりが悪くなるため注意が必要です。

キャンバスの裏側全体にマスキングテープを貼りつけ、
角にダルマ画鋲で足をつけていきます。


こうすることで制作中に垂らした液体はキャンバス下へ流れ、
スムーズに乾かすことができます。
またマスキングテープを完成後にはがすことで裏側をきれいに保つことができ、作品を壁に飾る時に汚れる心配がありません。

 

まずは下地を作っていきます。

白色に色づけしたメディウムを、側面もあわせ全面に塗ります。
液を注いだ時にスムーズに流れるようにと、キャンバスの地肌を隠すために行います。

下地ができあがったら色づけに取りかかります。
まずは好きな色を4色ほど+白色を準備します。
この時メイン3色は同系色系で、1色は差し色でまとめてあげるとバランスよく仕上がるのでおすすめです。

準備ができたら色をどの方向に流すかイメージします。
今回は白色でぼかしたり色を広げる手法で行います。
そのためキャンバス全体ではなく、白い画面に色のラインを引いたような作品に仕上げていきます。
縦・横・斜め…どういった作品にするかイメージができたら、
いよいよカラーメディウムを気のおもむくまま、自由に好きな色から画面に垂らしていきます。

カラーメディウムをある程度垂らしたら、それを挟み込むように白色メディウムを垂らします。

そうしたら今度はカラーを外側に広げるように、ストローで息を吹きかけ全体的に混ぜあわせます。

逆に白色をカラーの内側に広げたり、カラーをさらに足したり、白をカラーの上にかけたり…。繰り返すことで複雑なポーリング模様になっていきます。

1つのカップに全色のメディウムを入れ一度に垂らしこむ手法もありますが、今回の手法だと狙ったカラーバランスで制作することができ、かつ偶然性もある美しい作品に仕上がります。

 

色づけが終わりましたら、ポーリングアートの醍醐味である“セル模様”を作っていきます。

セルとは“細胞”のことであり、ブツブツとした独特な模様が特徴です。

シリコンオイルを筆につけたら、カラーメディウムの上に爪ではじきながら振りかけます。

少しするとじわじわとセル模様が浮き出てきます。

このとき何度もオイルを振りかけてしまうと、乾いた後にキャンバス表面がボコボコ波打ってしまったり、セル模様が消えることがあります。

一カ所に集中せず、全体的を見てアクセントにするイメージで模様をつけましょう。

※オイルは絵画用でなく、ホームセンターで取り扱っているもので十分です。オイル純度100%の物を使用します。

作品が完成したら一晩以上乾かします。乾燥後グロスメディウムでコーティングすると、艶やかでフラットな画面に仕上がります。

コーティング後に好みで金箔やラメで飾りつけると、より華やかな作品になります。

 

完成

 

 

まとめ

アート系のワークショップでは、普段画材に触れない参加者の方がほとんどです。

“技術や知識に縛られず、気軽に来店して楽しんでほしい”

その思いで企画した第一弾が、ポーリングアートのワークショップでした。

何もかも初めてで不安定なスタートでしたが、お客様の“できた”という笑顔と、ずらっと並んだ完成品を見て、少しずつ軌道に乗ってきたように思います。

これからも“やってみたい”と思っていただけるような企画ができるようがんばります!

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